カクタス長田ブログ

もうせんごけはもうせん

いつもそう仰っていた大先輩が、先週他界されました。

高校生の時に突然押しかけて以来、ずっとお世話になりっぱなしでした。どうしても直接お礼が言いたかったので、会いに行ってきました。その方はとても安らかなお顔で眠っておられ、遺影はとてもその方らしく、今にも

「なんやぁ、静岡からあんちゃんが来とるやないかぁ。何しに来たぁ。何もやるもんあらへんでぇ。」

と聞こえそうでした。

あのやりとりがもうできないかと思うととても寂しいですが、いずれその方にお会いする際に、胸を張ってお会いできるよう、これから精進していこうと思いました。来年は、今年以上の品質で食虫植物が出荷できるよう、頑張ります。

下の写真は、その方に案内して頂いた石立山のムシトリスミレ（Pinguicula macroceras）の写真です。

氏のご冥福をお祈りしております。

回想

戻りました。今週は時差ボケ週間。

再びホテルの窓から。ホテル玄関横に置かれたダシリリオン・ウィレリー (Dasylirion wheeleri)

リュウゼツラン科(Agavaceae)のとても強健な植物です。葉は硬く鋸歯が痛いですが、人の丈よりも高い場所に鉢ごと置けば問題無し（これで地上２ｍくらいの所）。

暑さ寒さや乾燥に強く、生育が遅い（草姿が崩れない）性質が十分に生かされている使われ方だなととても感心。日本なら水遣りしないでも雨水だけで育ちます（多分）。とても良い植物なのですが国内では流通量が少ないのが欠点。

それから滅多に見られないアロエ・ポリフィラ (Aloe polyphylla)の開花姿

雪に埋もれても全くOKな耐寒性のある高山性アロエ。あちらでは周年戸外管理です。すごー。地植えパワー全開。

成熟した株にはらせん状に展開する葉並びの妙があり国内でも愛好家の間では人気がありますが、いかんせん高温多湿に弱いので日本では普及種にはなりえません。弊社でも数株管理していますが、夏の管理には気を使います。

それにしてもこれが銀葉の個体だったら感動で失神している所でした。緑葉でよかった。

旅マジック

ヨーロッパに来ています。田舎のホテルの窓から。雨が降るととても寒い。

コーヒーはおいしいです。世界中どこで食べてもあまりハズレがないという中国料理はあまりおいしくない所が多いかもです。昨日の肉団子は口に合わんかった・・・。

町を歩いていたら道端に雑草化していた何か↓

おもしろー。こっちに来てから最新のお花ばかり見ているのに一番新鮮に見えたコレって何ですか。でも日本で同じものを見たらそうでもないのかも。旅マジックだな。

サンセベリア・スフルティコーサ

サンセベリア・スフルティコーサ (Sansevieria suffruticosa)

のスタウト・クローンとでもいいましょうか。この時の実生で一番ずんぐりむっくりの株。愛嬌のある葉型と、ちょっと爬虫類っぽい縞模様がとてもかわらしいのです。

これから日に当てて銀葉具合がどれくらい出るか楽しみ。

マニアックなサンセベリア人気も少し落ち着いてきたのでまた色々始める気になってきましたよ。

エケベリア 'メキシカンジャイアント' & 'デスメチアーナ'

エケベリア・コロラータ 'メキシカンジャイアント' (Echeveria colorata 'Mexican Giant')

エケベリア・コロラータが雑草として生えている所（常識的には自生地といいますか）で、特に白くて大きな個体を選抜してきたものとのフレコミです。変種brandtiiに近いとの事で、そんな葉型ですね。それでもコロラータなのでエケベリアにしては生育が遅く、栄養繁殖が難しいのは高貴な美人さんなので仕方がありません。弊社の株は最近だいぶお嫁に貰われて行ってしまいました。残念。

でも大型に育ちすぎるし、葉を綺麗に保つのは少し気を使うので個人的なツボには微妙に入っていません。

今の所、美白系エケの中では個人的にデスメチアーナの方が断然好みです。葉の白さ、葉幅、葉縁が反り返りにくい等の特徴を見てもピーコッキーの変異幅の中ではピカ一ですな。ロゼットも手ごろな大きさでおさまったまま葉を重ねてくれるし、ラウイ様ほど気難しくないし。

弊社事務所の南向きの窓辺で年季を重ねつつご機嫌な株です↓

エケベリア 'デスメチアーナ' (Echeveria peacockii 'Desmetiana')

いつもの場所にて↓

もうね、毎日うっとりですよ。やはり生長点は太陽に向かって少しづつ傾くので定期的に鉢は回転させています。

あ、'Desmetiana'ってラテン語扱いになるんでしょうか。むむー命名規約め、面倒だなぁ。それでは某分類学者氏風に'Desumechiana'とでも書きましょうか。あら不思議ラテン語ではなくなりましたよ。

でもこれでは海外勢にすこぶる不評になってしまいます。アメリカ人にお昼何食べる？って聞かれてカタカナで「マクドナルド！」って言う感じ。←まず100%通じない。

というかこの話自体がわかりづらいですね。すみません。

「品種名　ラテン語」で検索してみて下さい。

１８禁

先に謝っておきます

タイトルで期待された方、申し訳ありませんご期待に沿えるような内容ではございません。すみません

今日ご紹介いたしますのは、フクロユキノシタ科（Cephalotaceace）のフクロユキノシタ（Cephalotus follicularis）です。

オーストラリア南西部に自生する１科１属１種の孤高の食虫植物です↓

どうですか？何だか格好いいでしょう？食虫植物が好きな方は大抵好きな植物です。

ただ、増殖率が悪く、未だに若干お高い植物です・・・。

このフクロユキノシタを趣味で少し育てているので、時間的に、精神的に余裕がある時に気まぐれで混ぜちゃいます見かけたら即確保をオススメしたいのですが・・・・・・、18歳以上の良識ある大人の皆さん、リリースしてあげて下さい！１８歳未満の子供達にフクロユキノシタ確保のチャンスを与えて欲しいのです。皆さんよろしくお願いいたします。

小指以上親指未満の品質で極稀に出荷予定です。

それにしても、個人的にはフクロユキノシタの二葉性は何によって制御されているんでしょうか？ご存知の方がいらっしゃいましたらご教授下さい。

よろしくおねがいします

エケベリア 'ブルーバード'

一応ハヤリモノもご紹介という事で。

エケベリア 'ブルーバード' (Echeveria 'Blue Bird')

エケベリアは中南米に自生するベンケイソウ科(Crassulaceae)の多肉植物です。鮮やかな色あいと整ったロゼットの形のせいか比較的人気のある植物で、観賞価値の高い原種や園芸品種が多く作出されています。特にこのブルーバードという品種は「幸せの青い鳥」という事で現在のエケベリアブームの火付け役だったという話を聞きます。

ブームが過ぎた後も評価され続けうる種類というのはそれほど多くはないと思いますが、それにしても美白系エケには美人さんが多いですな。

・・・

そういえばこのあいだマジックレッドっていう名前で照り葉の赤いエケベリアを買ったんです。エケとしては初めて見る印象のものだったので感心してたんですよ。この交配はスゴいと。アフィニスとフルゲンスとかかなー、この色はなかなか出なそうだなー、黒茶色になっちゃうだろうなー、とか思ってたんです。

それしたら育てているうちにだんだんと照り葉じゃなくなってきて、これはあれですか？パルフォン（略）ですか？みたいな状況になってきました。まだ花は咲いていませんが今の所パールフォンニュルンベルグという普及種である確率9割。

むぅ・・・マジックレッドって品種名じゃなくて商品名でしたか。ものすごがっかり。授業料を払ってひとつおりこうになりましたよ。

斑入りセンペル

センペルビウムもたくさん育てていると変わった物も出てきます。

こんなのとか

別品種の枝変わりでこんなのとか。

品種として固定されるかどうかは微妙ですけど綺麗ではあります。以上。センペル好きな人にしかわからない情報ですみません。

ウサ様

現在出荷中のウサギゴケ (Utricularia sandersonii)

今年の弊社のウサギさんたちはすごく育ちが良い！たくさん育てているのに。今年は貴族並みの育ちの良さですな。ウサ様。

ウサギゴケは元々は南アフリカの湿った岩場などに生えている食虫植物で、日本にも自生するミミカキグサの仲間です。植物自体はそれほど大きなものではありませんが、よく見ると花がウサギのようなのでかわいらしく、花物として人気があります。

日本には昔から「白花」と「青花」と呼ばれる系統があるとされています。最近はまた別（細花）の系統も導入されているそうですがまだ見たことがありません。弊社で主に生産しているのはいわゆる白花のウサギゴケです。↓

白花とはいっても淡い青紫色の模様が入ります。かわいいですねぇ。 

で、こちらが青花系統。

青花ウサギゴケは花が幅広で若干大輪ですが、いかんせん花付きがあまり良くないので園芸的にはあまり多くは栽培されていおらず、趣味の世界で流通するだけです。こちらは食虫植物や山野草が趣味の人だけが拝めるちょっとかっぷくの良いウサ様ですな。

個人的にはメタボ気味な青ウサ様よりも、可憐にたくさんの花を咲かせる白ウサ様の方が断然オススメでございます。

赤ウツボの悲劇

今年の食虫植物の出荷が開始して、３日が経ちました。

もう、早くも１ヶ月位出荷しているような錯覚に陥っているのはおそらく私だけでしょう。

で、本日早速素敵なクレームを頂きました（笑）クレーム内容はこちら↓

「１株だけ、明らかにほかのウツボカズラと色が違って、枯れているようだから、破棄した」

・・・・

違うんです、もっと早く説明しておくべきでした・・・。赤ウツボさんに悪いことしました・・・。

今年の弊社のウツボカズラは以下の３種類です。

こちらが、問題のウツボカズラです。「レッドアラタ」だそうです・・・。決して在来系のアラタのレッドではございません・・・。

壷だけでなく、植物体全体が赤く染まり、勢い余ってどす黒い位の色になります。素晴らしい最高です

お断りしておきますが、決して枯れてません。こんな奴なんです、ご了承下さい。たまに混ぜて出荷しますんで、見つけたら確保をオススメします。

こちらは通常出荷しているウツボカズラです。「アラタ」だそうです・・・。

名前はさておき、小さくて可愛いです

で、こちらが「ジェントル」だそうです。マキシマ系の交配種です。小さい時は正直いまいちですが、大きくなってからはかなり格好良いです。大きく育ててあげて下さい。こちらもたまに混ぜます。

で、折角なので、レア情報。先程紹介した「レッドアタラ」には感覚的は２００分の１程度の確率で、グリーンの個体が出現しています。アルビノかと思いきや、そうでもないようです・・・。

極めて、レアです。発見できたらラッキーです。可愛がってあげて下さい。

それにしても、「レッドアラタのグリーン」って・・・（笑）